教えて業種業態!飲食店ってだけじゃだめなの?

「将来はケーキ屋さんになりたいなぁ。ケーキが沢山食べられるから。」
なんて、子供の頃に考えたことがあります。

さて、大人になって本当にケーキ屋さんをやりたくてお店探しすると、不動産会社の人に質問されます。
「出店される業種・業態を教えて頂けますか?」

「???」
なんだかわからない質問されてハテナがいっぱい!
ケーキ屋さんの業種・業態って?
なんて答えればいいの?

でも貸店舗を探す時に、どんなお店を出すのか、不動産会社の人に一番最初に聞かれることです。

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産業は『大分類』に分類されて、さらに『中分類』に分けられる

日本の産業は分類されています。
一番大きなカテゴリーが『大分類』、そしてそれが『中分類』へと分けられます。

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大分類中分類
農業、林業農業
林業
漁業漁業
水産養殖業
鉱業、採石業、砂利採取業鉱業
採石業
砂利採取業
建設業総合工事業
職別工事業
設備工事業
製造業食品製造業
飲料・たばこ・飼料製造業
繊維工業
木材・木製品製造業
家具・装備品製造業
パルプ・紙・紙加工品製造業
印刷・同関連業
化学工業
石油製品・石炭製品製造業
プラスチック製品製造業
ゴム製品製造業
なめし革・同製品・毛皮製造業
窯業・土石製品製造業、鉄鋼業
非鉄金属製造業
金属製品製造業
はん用機械器具製造業
生産用機械器具製造業
業務用機械器具製造業
電子部品・デバイス・電子回路製造業
電気機械器具製造業
情報通信機器器具製造業輸
送用機械器具製造業
その他の製造業
電気・ガス・熱供給・水道業電気業
ガス業
熱供給業
水道業
情報通信業通信業
放送業
情報サービス業
インターネット付随サービス業
映像・音声・文字情報制作業
運輸業、郵便業鉄道業
道路旅客運送業
道路貨物運送業
水運業
航空運輸業
倉庫業
運輸に付随するサービス業
郵便業(信書便事業を含む)
卸売業、小売業各種商品卸売業
繊維・衣服等卸売業
飲食料品卸売業
建築材料・鉱物・金属材料等卸売業
機械器具卸売業
その他の卸売業
各種商品小売業
織物・衣服・身の回り品小売業
飲食料品小売業
機械器具小売業
その他の小売業
無店舗小売業、
金融業、保険業銀行業
協同組織金融業
貸金業・クレジットカード等非預金信用機関
金融商品取引業
商品先物取引業
補助的金融業等
保険業(保険媒介代理業、保険サービス業を含む)
学術研究、専門・技術サービス業学術・開拓研究機関
専門サービス業(他に分類されないもの)
広告業、技術サービス業(他に分類されないもの)
宿泊業、飲食サービス業宿泊業
飲食店
持ち帰り・配達飲食サービス業
生活関連サービス業、娯楽業洗濯・理容・美容・浴場業
その他生活関連サービス業
娯楽業
教育、学習支援業学校教育
その他の教育・学習支援業
医療、福祉医療業
保健衛生
社会保険・社会福祉・介護事業
複合サービス事業郵便局
協同組合(他に分類されないもの)
サービス業(他に分類されないもの)廃棄物処理業
自動車整備業
機械等修理業
職業紹介・労働者派遣業
その他事業サービス業
政治・経済・文化団体
宗教
その他サービス業
外国公務
公務(他に分類されないものを除く)国家公務
地方公務
分類不能の産業分類不能の産業

※この内容は、政府統計のポータルサイトで確認できます。
※日本標準産業分類に関する部分

日本の産業はこのように19種類に分類されます。
なんだか、並べると多いようで、19種類と思うと少ないようにも見えます。

『飲食サービス業』『生活関連サービス業』をもっと詳しく

『中分類』はさらに詳細に分けられます。
ここでは、その中の、お店の出店に関係のある『飲食サービス業』と『生活関連サービス業』の詳細を見てみましょう。

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中分類項目詳細
飲食サービス業飲食店管理、補助的経済活動を行う事務所
食堂、レストラン(専門料理店を除く)
専門料理店
  (日本料理店、料亭、中華料理店、
  ラーメン店、焼肉店、
  その他の専門料理店)
そば・うどん店
すし店
酒場、ビヤホール
バー、キャバレー、ナイトクラブ
喫茶店
その他の飲食店
  (ハンバーガー店、
  お好み焼き・焼きそば・たこ焼き店
  他に分類されない飲食店)
生活関連サービス業洗濯・理容・美容・浴場業
その他生活関連サービス業
娯楽業
管理、補助的経済活動を行う事務所
洗濯業
理容業
美容業
一般公衆浴場業
その他の公衆浴場業
その他の洗濯・理容・美容・浴場業

『飲食店』の詳細を見ると、ますます「これだけ??」という印象。
統計を取るために定められただけの分類なのか、または別の用途・目的でも利用されているものか。
このあたり私の勉強不足ですみません。

さて、この表を見ると、私が出店しようとしている「ケーキ屋さん」は。
どうやら『飲食店』の中の、『その他の飲食店』ということになりそうですね。

不動産業界における『業種・業態』の考え方

先ほどの表は、政府統計に基づく分類でした。

不動産業界で使っている『業種・業態』は、前述の表から考えるともっと狭い範囲になります。

統計上の分類とは同じようで、別物?
大分類ほどの区分けはしていない印象です。

不動産業界では、商店街や街に出店できるもの、というのを前提に考えています。
『建設業』なり『運輸業』を商店街に出店のは厳しいイメージなので、ほとんど使われない印象です。
とはいえ『建設業』や『運輸業』の事務所や倉庫、簡単な作業場程度ならいけますね。
実際、宅急便のヤマト運輸さんや佐川急便さんから、街中のサービスセンターとして利用できる貸店舗のご相談がありますし。

基本的に、商店街に「出店できそうなもの」が対象です。
日常的によく聞くものは、統計の分類でいうと『小売業』『飲食業の「飲食店」』『サービス業』『医療業』あたりでしょうか。

不動産会社の人は、政府統計の分類の詳細まで把握してはいません。
宅建試験の勉強の範囲にも、もちろんありません。

なので不動産会社の人は『大分類』なり『中分類』なりの統計分類を前提にして質問してはいません。
お店の建物の持ち主(所有者)・貸主が理解できるよう、説明できるように、お店の詳細を確認しています。

具体的に出店されたいお店の詳細がわかれば、あなたにどんな貸店舗を紹介できるかという点でも、提案しやすさにつながります。
だから「あなたが出店したい業種・業態は何ですか?」という質問をします。

とはいえ、統計上での分類は考え方として役にたちます。
なので引き続き、織り交ぜながら考えていきます。

『業種・業態』を具体的に考えてみる

さて『小売業』の場合、具体的にどんなものでしょう?
スーパー、ドラッグストア、衣料品販売、八百屋など。
もっとありますが、さっと思い浮かぶものを上げてみました。

『サービス業』であれば?
美容室、ネイルサロン、エステサロンなど。
整体・整骨院、マッサージなどは『サービス業』なのか『医療業』なのか・・・。
病院や、歯科診療所は『医療業』としっかり分類されてますが。

『飲食店』なら?
これは『中分類』で記載された詳細では足りない。
イタリアンやフレンチ、居酒屋、甘味処、唐揚げ屋など。
「その他の飲食店」になるものが沢山あります。

それにしても、そば・うどん店、すし屋はなぜ一つの項目として独立しているのでしょう。
日本の産業として、和食は一つの領域として確立しているということですかね。

とにかく、不動産会社の人や貸主が知りたいのは、あなたが出店したいお店は、具体的に「何屋さんか」ということです。

ところで『飲食店』は『中分類』の詳細とは別に、不動産業界は「調理の重度」によって分類されます。
『重飲食』『飲食』『軽飲食』などです。

これも実のところ、これに関しても定義はハッキリせず、基準は定められていません。
おおまかに分類されている感があります。

『重飲食』はどんな店?和食は重飲食でフレンチは飲食店?重飲食の定義が気になる‼ 

あなたが出店する『業種・業態』は何か?

不動産会社の人に「あなたの出店されたい業種・業態は?」と聞かれたら?

焼肉屋さんなら、『飲食店』で『焼肉』です。
と言わなくても「焼肉屋です」と言えばすぐに理解してもらえます。

美容室なら「美容室です」と言えばOKです。

「物販店です」とだけ答えると、さらに質問を受けるでしょう。

貸主へ説明し出店を許可してもらうのに、物販店だけではわからないからです。
そういう場合は「八百屋です」とか「オーガニック食品の販売です」とか「アパレル販売です」とか具体的に伝えましょう。

もし、「ケーキ屋」だけどそこでは焼かず、セントラルキッチンや別の場所で作ったものを販売するだけ、などの場合はそのことも伝えた方がいいでしょう。

そのお店で調理するのか、しないのかは非常に重要なことです。
調理するならNGだけど、販売だけならOK!というパターンは多いので、しっかり伝えないことによって断られるなんてことは避けたいですよね。

『業種・業態』は?という質問を受けますが、要は、何を売ろうとしているのか、商品なのか、サービスなのか、そのお店でしたいと思っている商売についてを伝えれば大丈夫です。

詳しい内容を伝えれば、不動産会社の人が貸主さんに「このお店に、この商売はいいか?」と確認してくれます。
そしてあなたの希望すれば、その商売に合った貸店舗の紹介もしてもらえると思います。


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