出店初心者必見!貸店舗を探す時の不動産会社の選び方・探し方

いよいよ念願の自分のお店を出す!
そう決意して、貸店舗を探し始めてみた。

まずは出店を考えている駅周辺を歩いて、空いている店舗がないかチェック。
それから、インターネットで「貸店舗」を検索してみる。

うーん、これだ!というものが見つからない・・・。
やっぱり自力では無理なのか・・・。

不動産会社へ行けば、条件に合った貸店舗がみつかるんだろうか。
でもガンガン営業されるのは嫌だなぁ・・・。

そう思いながらも、いよいよ不動産会社へ連絡を取ってみるしかないかな、という考えに行きついたあなた。
そんなあなたのために、どの不動産会社を選んで相談に行ったらいいのかについてお伝えします。

Contents

不動産会社にもいろいろ

コンビニエンスストアより多いと言われるほど、街のあちこちに不動産会社はあります。
しかし住宅と違って、貸店舗の扱いが実は不慣れという不動産会社が多いというのが正直な話。

なので、近所の不動産会社や、テレビで聞いたことがある不動産会社へ行けばなんとかなるとは言い切れません。

当たり前のことですが、不動産会社は資格や免許を持たなければ営業できません。
資格や免許はあるので、不動産会社は基本的に、賃貸でも売買でも不動産にかかわることなら扱えると言えば扱えます。

しかし業務の範囲が広く、会社によって得意不得意な業務があり、不動産会社の選び方を間違えると・・・。
『依頼をもらったのでチャレンジしよう!』という、貸店舗の扱いに関しては不慣れな不動産会社の門をたたいてしまう可能性があります。

頑張って貸店舗を紹介しようとしてくれる努力は非常にありがたい。
もちろん実を結ぶケースもあります。
不安なのは、気に入った貸店舗があった時に、交渉の仕方もタイミングもわからない人が対応するかもしれない場合があるということです・・・。

この物件だ!と見つかったら、すみやかにスマートに交渉してもらいたいもの。
それには、貸店舗の扱いを得意としている、その業務に特化している、そういう会社を選ぶこと。

営業されるの嫌だな・・・なんて思っている場合ではありません。
貸店舗との出会いはタイミングが大事!
出店したい時期が決まっているのなら尚更、積極的にアドバイスしてもらうためにも、きちんとプロに相談を。
その前に、しっかり不動産会社を選びましょう。

貸店舗専門の不動産会社の選び方

さて、不動産会社の選び方です。

不動産会社の業務は、大きく分けて「賃貸」か「売買」にわかれます。

このどちらをメインに扱っている不動産会社かを一番先に確認しましょう。
貸店舗を探すなら、この場合「賃貸」になります。

次に「賃貸」は「居住用(住宅)」か「事業用(事務所・店舗)」にわかれます。
どちらを主な業務として扱っているのかも確認しましょう。
貸店舗の場合「事業用」です。

「事業用」を扱っているとしたら、さらに「事務所」か「店舗」のどちらを主に扱っているか。
「事業用」なら「事務所」でも「店舗」でもどちらでもOKという場合もあります。

「事務所」も「店舗」も両方扱うという会社の中では、どちらも扱える営業もいますし、「事務所」を担当する営業、「店舗」を担当する営業と、それぞれ役割分担している場合もあります。

でも会社によっては、「事務所」(オフィス)が得意、または「店舗」の方が得意。
と、ハッキリうたっている場合もあります。
そういう様に、得意な業務を明確にしている方が、それに長けた営業がいる可能性が高くなります。

以上のことから、「賃貸」→「事業用」→「貸店舗」という流れで、「貸店舗」を専門に扱っているという不動産会社、または営業をみつけるのがベストです。

事務所と店舗は大違い!?

ところで、オフィスの取り扱いを前面にうたった不動産会社はどうなのでしょう。

事業用を扱う不動産会社なら、事務所でも店舗でもやり方は同じでしょ?
と思われるかもしれません。
事務所も店舗も扱ったことがある立場で申し上げると、違います。

住宅のお部屋探しをイメージしてみて下さい。

キッチンやお風呂、トイレなどの設備があり、床があり、壁にクロスが貼ってある。
あとは電気・ガス・水道の手続きを済ませ、家具や荷物を入れたららすぐに生活が開始できる。
そういう状態まで、室内は仕上がっています。
当たり前のように思いますが、住宅用の物件はそこまで仕上がった状態で貸し出します。

コンクリートむき出し、水回り設備も何もないスケルトンの状態で、「空間を貸します。あとはご自由に。」なんていう住宅はまずないと思います。

風呂・トイレ共同だったり、エアコンや照明器具があったりなかったり、というものはあるかもしれませんが、すぐに生活ができる状態に整えて貸し出すのが住宅用の物件です。
お部屋探しをする人は、その中から選ぶことができます。

よって、お部屋を紹介する不動産会社の営業は、住めるように室内が全て仕上がっている物件の中から、お客様の希望の条件に合った物件を選び出して、この中のどれにしますか?と提案しています。
 

事務所は住居に似ています。
室内は事務所としての業務ができる仕様に仕上げられています。

壁・天井・床もあり、クロスやカーペットで仕上げられています。
そして、トイレやミニキッチンなどもあるでしょう。
天井にはオフィス向けの照明器具が付いていたり、エアコンが設備されている場合もあります。

ここまでの状態になっているので、あとはデスクやイスなどオフィス用品を置いて、電話やインターネットなどのインフラを整え、パソコン等を持ちこめば、もう事務所としてスタートできます。

事務所を探している方がスケルトンの物件を見て、「よし、ここを事務所として借りよう!」となることは稀でしょう。

スケルトンという何もない状態から、自分で壁や床を造作するために内装業者と相談して、工事費を払って、工事期間を経て、入居して、ようやく事務所開始、では時間もお金もかかり過ぎてしまいます。
よほどの理想の立地や、激安などの好条件でない限り、わざわざそこを選択することはほぼないと思います。

よって事務所を探している方は、基本的に事務所の仕様となっている物件から選択します。

そして不動産会社の営業は、事務所仕様の物件の中から、希望に合うものを選び出して、これはどうか?と提案するのが一般的です。

一言アドバイス★SOHOとして使う時は注意を

話が少しそれますが、住宅の一室を事務所として使う方法があります。

SOHOとして、住宅を「住居兼事務所」として借りる契約です。
※Small Office/Home Officeの頭文字をとってソーホー

住宅としての賃貸借契約の期間中にSOHOに切り替える場合は注意してください。

すでに契約して住んでいる物件が住居専用である場合、事務所として使用すると契約違反となってしまいます。
事務所が既に入っている建物だから大丈夫だろうと思ってはいけません。

事務所として使用するならと、賃料がUPする可能性がありますし、消費税もかってきます。
敷金の積み増しなどもあるかもしれません。

お金の問題だけでなく、大家さんが認めてくれない場合、事務所として利用してはいけません。
またその逆パターンで、事務所として借りているのに、寝泊りをして住宅のようにも使いだしてしまう場合も注意してください。

はじめからSOHOとして契約するのであれば良いのですが、契約の途中で借りた当初と違う目的で使いたくなった時は、契約書を確認しながら必ず大家さんや管理会社と相談しましょう。

店舗を借りていて、それとは別に住宅と事務所を兼ねて借りる時があるかもしれないですよね。
その時に役立つかもしれない、一言アドバイスでした。

店舗を借りるときの相談と交渉は・・・

店舗の場合、住宅や事務所とは異なり、引き渡す時の室内の仕様はバラバラ。
物件選びの選択肢は幅広くなります。

1.何もない状態の「スケルトン」
2.今まで営業していた店舗が設備や造作をそのまま残して退去した「居抜き」
3.現況は事務所仕様だけど、店舗に造り変えてもOKという「事務所」
4.住宅として使用していたマンションやビルまたは戸建てなどの「住宅」
5.「駐車場」
6.「倉庫」

これら全てが店舗になりうる可能性があります。

こういった中から、お客様が出したいお店のイメージに合うかもしれないと、希望の条件と照らし合わせながら物件を紹介するのが、貸店舗の営業です。
もしくは、こういった中からお客様が「この物件に申し込みたい」と言われた時に、大家さんや管理会社へ交渉するのが営業です。

3~6までの「事務所」や「住宅」、「駐車場」や「倉庫」など、店舗の仕様になっていない物件を店舗として借りたい、となる場合もあります。
その場合、大家さんや管理会社への相談や確認・交渉は格段に多くなりますので、営業の手腕が問われます。

はじめから「店舗としてどうぞ」と募集している店舗向けの物件であっても、1.「スケルトン」や2.「居抜き」では状態が全く違います。

現況での引渡しか、前のテナントがさらに設備等を引き上げていくのか、大家さんが撤去してしまうのか、逆に大家さん側での工事が何かあるのか等々、確認と交渉の作業は必須です。

物件を選定して、物件の内見時に店舗として借りる場合のインフラや建物状態などを確認。
その物件をどういう形で借りられるか確認しさらに相談・交渉。
賃料や保証金などの値下げなど、賃貸条件の交渉。
賃料開始日や、フリーレント期間、融資決定までの猶予期間など契約内容の交渉。

これらの確認や相談・交渉をしつつ、他にいるかもしれないライバルの申込者と物件の争奪戦を繰り広げながら、物件を勝ち取り、成約して物件をお客様へ引き渡すのが貸店舗の営業です。

事務所を借りる場合と店舗を借りる場合では、営業の動きが大きく違います。
店舗の方が格段に手間がかかるのです。
この頃にはオープンしていたいと、オープンの期日をイメージしているお客様がいる中、手間がかかりつつも速やかに対応してもらうには、店舗の扱いに慣れている営業がベストでしょう。

ということで貸店舗を探す時は、貸店舗専門の不動産会社で、店舗の扱いに慣れた営業に相談して、上手に交渉してもらうのが確かに良さそうだ、とご理解頂けたのではないでしょうか。

貸店舗専門の不動産会社を見つける方法

では貸店舗専門の不動産会社をどのように探したらいいか、見つける方法についてお伝えします。

方法1、ポータルサイトで貸店舗を多く掲載している不動産会社を見つける

不動産のポータルサイトであれば、不動産会社がそれぞれに情報を掲載しているので、物件探しには最適。
住宅用の代表的なポータルサイトはSUUMO(スーモ)です。
ここはダントツの情報量でお部屋探しにの時にはおすすめ。
ところが、SUUMO(スーモ)には、貸店舗情報がありません。

貸店舗において、SUUMO(スーモ)並みに貸店舗情報に特化したポータルサイトは見受けられません。
それはなぜか。
それは、賃貸不動産において、貸店舗の占める割合が少ないからです。

街を歩いて探しても貸店舗の情報が手に入らないように、インターネット上でも情報はそう多くありません。
住宅のように、選び放題という状況ではないのです。
しかも商売となると、商品や販売方法にもよりますが、売上に大きく影響する立地は非常に重要になります。
住宅のように、ここにないなら隣の駅へ、というわけにもいかないのが貸店舗探しです。

有名どころの不動産のポータルサイトで、他に貸店舗を扱っているところはあります。
at-home(アットホーム)HOME’S(ホームズ)です。

at-home(アットホーム)は、2023年2月10日時点で、東京都で13,188件の貸店舗を掲載。
HOME’S(ホームズ)は、2023年2月10日時点で、東京都で3,366件の貸店舗を掲載しています。

SUUMO(スーモ)は2023年2月10日時点で、東京都で1,454,370件の住宅を掲載。
住宅に対し、いかに貸店舗が少ないかおわかり頂けると思います。

ところで、ポータルサイトは不動産会社がそれぞれに掲載するため、同じ物件をいくつもの不動産会社が同時に掲載しているという場合が多々あります。
よって、掲載数は物件数よりも多くなる。
逆に、物件数は掲載数よりも実際は少ない可能性があります。

1つの駅で希望の条件に10件該当。
「お!結構あった!」と思ってよく見てみたら、扱っている不動産会社が違うだけで同じ物件だった・・・ということはあります。
ポータルサイトの弱点はそこですよね・・・。

ですが、貸店舗を掲載している不動産会社がしっかり表示されているので、これを活かしましょう。
貸店舗の情報を多く掲載しているほど、貸店舗に力を入れている可能性が高いことが予想されます。

貸店舗情報を多く扱っている不動産会社の自社サイトを見て、事業内容をチェック。
もしくは自社サイトに掲載されている物件情報をチェックすると、掲載数やコメントから、ここが良さそうだという不動産会社を見つけられると思います。

方法2、自社サイトで貸店舗情報を多く掲載している不動産会社を見つける

「貸店舗」や「空室店舗」などのキーワードで検索すると、ポータルサイト以外のサイトが見つかります。

不動産会社が自社で運営しているサイトが見つかったら、そのサイトをチェックしてみましょう。
貸店舗情報を多数掲載しているサイトなら、そこの不動産会社は貸店舗に力を入れている会社だと言えます。

そのサイト内で希望にあった物件を探してみて、もし「これだ!」というものがあったなら、問い合わせしてみることをおすすめします。

コツコツ探し続けつつ、不動産会社の営業を味方につける

ポータルサイトでも、自社サイトでも、貸店舗情報を見つけた時は、早めの問合せが大切です。
住宅と比べ貸店舗は圧倒的に数が少ないので、問い合わせを迷って数日様子を見ている間に、他の人から申し込みが入ってしまうというパターンは、住宅以上に多くあります。

情報を見て、数日後まず先に一人で現地を確認して、それから問い合わせをしよう、と考えていては機会を逃してしまう可能性が高くなります。
まず先に問合せです。

問い合わせをすると、不動産会社の営業が出店を考えているお客様の存在を把握できるので、大家さんや管理会社に「うちにもお客様がいます!」と手をあげてくれ、上手くいけば、出店希望者の候補の一人に加えてもらえるかもしれません。

絶対数が少ない貸店舗は、インターネット上にも情報が少ないため、日々コツコツとチェックする努力が必要です。
ポツリと空室になっている貸店舗を見つけるのは、まさにご縁でありタイミング!
だからこそ見つけた時は、あなたの努力をサポートしてくれる不動産会社の営業の存在は重要なのです。

コツコツ探し続けつつ、相性が良さそうな不動産会社の営業に出会えたら、気になる物件について積極的に相談してみましょう。

安心してください。
成約になるまで、不動産会社から費用を請求されることはありません。

営業が、以前、お客様からこんなことを言われました。
「これだけやってもらっているのに、成約した時に仲介手数料1ヶ月分だけなんて申し訳ないです。しかも、成約にならなければ、なにもお支払いすることもないんですよね。」と・・・。

本当にそうです。
どんなに頑張っても、費やした手間や時間で報酬をもらうことができないのが不動産会社の営業。
ポチ袋で気持ちでも頂けると営業の気持ちも努力も浮かばれるのですが、そういう訳にもいかないですし・・・。

まぁまぁ、ポチ袋の話はさておき、以上が、貸店舗を探す時の不動産会社の選び方と見つけ方でした。

え!見つけた後はどうしたらたらいいの?

いきなり繋いでいた手を離されたと、さまえる子羊のようなあなたのために、次は、見つけた不動産会社との連絡を取るコツについてお伝えできたらと思います。

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